はじめに

セメントは約9000年前の新石器時代から使われているという説があります。
また、5000年前に石こうと石灰を使用したエジプトのピラミッドは、広義のセメントを使った構造物と言えます。
3000年前の古代ローマは、征服したエトルリア人から継承した、石灰に酸化ケイ素を含む火山灰ポッツォラーナを混ぜた
セメントを使って、現在に残る高耐久性のコンクリート建造物を数多く造っています。

現在一般的に使用されているポルトランドセメントは、1842年にイギリスで製法が発明され、
日本では1872年(明治5年)に東京深川の大蔵省セメント製造所で製造が始まりました。

セメントコンクリートは、成形の自由度が高いこと、非常に強固であり耐久性が高いこと、安価であることなど、
現在では社会基盤整備に欠かせない優れた建設資材となっています。

コンクリートで造られた構築物のうち、水漏れしては困る屋上、地下構造物、水槽などには防水工が施工されます。
防水工は単に水漏れを防ぐだけでなく、躯体を護り、構造物を長く維持していくという大事な役割も担っています。

コンクリート構造物の防水工法は大きく二つに分類されます。
コンクリートの表面を、透水係数の低い材料(アスファルト、シート、塗膜、FRP、金属板等)で覆う被覆工法と、
コンクリート内の空隙を埋めることによってコンクリートそのものの水密性を高める躯体防水工法です。

被覆工法には、被覆に用いる材料の性能がそのまま防水性能となるので分かり易い、という利点があります。
このため、被覆工法の製品開発が先行的に進み、これまで市場をほぼ独占していました。

一方、躯体コンクリートの水密性を高める躯体防水工法は、理想的であると言われながら
材料だけでは効果が確認出来ない、効果が対象コンクリート躯体の品質によって大きく左右される、などの理由によって
ごく一部で使用されるに留まっていました。
それが、近年見直されるようになってきています。

その要因となったのが構造物のアセットマネジメントです。
構造物のライフサイクルコストを考える中で、構造物の耐久性が極めて重要になります。
そのため、防水効果に加えてコンクリートの耐久性も高める躯体防水工法が見直され始めたのです。

躯対防水工法に用いる材料として現在、土木分野ではけい酸塩系表面含浸材、
建築分野ではけい酸塩系防水材が注目されています。

このホームページでは、けい酸塩系防水材を対象とし、材料の基本的な考え方、
材料の適用範囲、材料および工法の選定時に注意すべき事柄、標準仕様等について説明いたします。


 

(c) 2013 Concrete Structure Waterproofing Development Group