設置の経緯および目的
アストン協会各社は、株式会社アストンが1993 年に開発したコンクリート躯体防水材CS-21を用いて、駐車場、屋上、地下、水槽、橋梁等の躯体防水を施工してきました。2015 年9 月時点のCS-21を用いた躯体防水工事の施工実績件数は、約680 件(120 万平米以上)です。
躯体防水工事は年々増加する傾向にあり、アストン協会は過去の施工物件を照査して今後の品質向上と品質の安定に活用するため、躯体防水実態調査委員会に躯体防水の実態調査と今後の品質向上策の提言を依頼しました。
委員会の目的は以下のとおりです。
①防水工事施工後の品質の実態調査
②対象構造物の品質、施工条件等が防水品質に及ぼす影響の調査
③上記①および②の調査結果を踏まえた品質向上策の提言
委員の構成
委員長 長瀧 重義 東京工業大学 名誉教授
主 査 今本 啓一 東京理科大学 教授
主 査 綾野 克紀 岡山大学 教授
ほか5名
対象物件の概要
今回の調査は物件数、施工面積共に多く、容易に追跡調査が可能な自走式立体駐車場で屋上駐車場および中層階駐車場の躯体防水を対象としました。
構造
調査対象とした構造は規模、用途により多少異なりますが、スラブはデッキプレートとコンクリートとの合成スラブで、合成スラブ用デッキプレートに突起やリブを設けて両者を一体化させたものです。
調査期間
調査は、2015 年12 月9 日~2018 年5月16日の期間に行いました。
調査方法
調査方法は、調査票・ヒアリング・関係資料等の閲覧、分析、集計、現地調査です。